原発開放隅角緑内障(広義)の中で、特に正常眼圧緑内障については、眼循環の影響が病因のひとつとして挙げられています。古典的に正常眼圧緑内障では、(眼圧が健常人の正常範囲を超える)原発開放隅角緑内障(狭義)と比較すると、下方の視野障害が起きやすいと言われており、また、夜間や早朝に低血圧を生じていたり、血圧の変動が大きかったりする患者さんが多いと言われ、そのため正常眼圧緑内障の一部に、虚血性視神経症が含まれているのではないかと示唆されてきました。
本論文では、原発開放隅角緑内障(広義)では、眼灌流圧(眼底血圧―眼圧がもとの式で、一般的に眼底血圧は全身血圧から換算されます)の変動の大きさと視神経障害、視野障害の程度に相関があったと報告しています。