月別アーカイブ: 2014年12月

年末年始の診療につき

年末年始の診療のご案内です。以下の如くになります。
平成26年12月29日(月)は午前のみ診療、午後は休診となります。
平成26年12月30日(火)~平成27年1月4日(日)まで休診となります。
新年の診療開始は平成27年1月5日(月)~となります。
よろしくお願い申し上げます。

糖尿病網膜症に対する薬物治療

糖尿病網膜症は、失明原因の上位を占める重要な疾患で、治療法としては、血糖コントロールのほか、レーザーや抗血管内皮増殖因子剤硝子体内注射、硝子体手術などが挙げられます。しかしながら、点眼や内服などの薬物治療においては、あまり有効な方法は知られていません。本論文では、高脂血症治療薬である、フェノフィブレートが特に初期網膜症患者の病期進行抑制に有用である可能性を示唆しています。

http://www.aaojournal.org/article/S0161-6420(14)00623-X/abstract

緑内障性視神経症はどの部位から先行して生ずるか?

古典的に緑内障性視神経症は、眼圧によって視神経乳頭部で篩状板部にずれが生じ、視神経が絞扼され障害が起きるとされています。一方で、現在の世界的な緑内障の定義としては、視神経症の存在が前提として存在し、眼圧は緑内障の最大のリスクファクターであるとする考えでほぼ統一されていると思われます。また、臨床的に、視神経乳頭の変化に比べて、網膜神経線維層欠損の方が先行して生ずる例も散見され、どの部位から視神経症が生ずるかは、再考される必要があるかと思われます。本論文では、緑内障眼において共焦点走査型レーザー検眼鏡による視神経乳頭の観察と、光干渉断層計を用いた網膜神経線維層の観察を4.5年間経時的に観察したところ、ほとんどの例で視神経乳頭の形状変化が先行してみられ、網膜神経線維層の変化とは3年のタイムラグがあると報告しています。

http://www.aaojournal.org/article/S0161-6420(14)00569-7/abstract

5年間の緑内障の発症率について

横断的研究である緑内障の有病率の研究については、多数の報告がなされていますが、縦断的研究については極めて少なく、貴重なデータと言えます。韓国で行われた研究によると、5年間で、原発開放隅角緑内障疑いの発症率は0.84%、緑内障確定例が0.72%で、疑いから確定に移行する割合は、一年あたり4.75%と報告しています。発症の危険因子として、高齢、ベースライン眼圧、高いBMI、高学歴、高いヘマトクリット値を挙げています。

血圧と原発開放隅角緑内障との関係について

以前当ブログでアップさせて頂いた通り、血圧と緑内障との関係ははっきりわかっていません。血圧が高いと眼圧もわずかながら上昇するということについては異論はないと思われますが、血圧が低いほど、おそらく視神経循環不全のために緑内障のリスクが高まるというパラドキシカルなデータもあります。多数の論文を検討したメタアナリシスを用いて解析した本論文によると、高血圧があると原発開放隅角緑内障のリスクは1.16倍高まり、収縮期血圧が10mmHg上昇すると眼圧は0.26mmHg、拡張期血圧においては、5mmHg上昇すると0.17mmHg眼圧が上昇すると報告しています。しかしながら、本論文で対象となった過去のデータは、精読してみますと眼圧が高いタイプの緑内障を対象としたスタディがほとんどで、日本人に多いと言われている正常眼圧緑内障において、同じことが言えるかどうかは不明であると考えます。

http://www.ajo.com/article/S0002-9394(14)00301-8/abstract