月別アーカイブ: 2014年3月

硝子体手術と緑内障

硝子体手術は各種網膜疾患に対して行われる大変有用な手術ですが、術中の手術操作や術後の体位による眼圧変化、原疾患による影響、酸化ストレスが原因と推測されていますが白内障同時手術による影響などにより、緑内障を悪化させることがあると言われています。

本論文では、硝子体手術眼では、開放隅角緑内障の有病率が高かったと報告していますが、白内障手術の影響はなかったとしています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24608670

第7回打ち合わせ会議

昨夕新医院建設の第7回打ち合わせ会議が行われました。厳密には臨時会議がありましたので、9回目になるようです。現在の進捗状況は全体の87.5%で、ほぼ予定通りとのことでした。引き渡しは4月末日の予定ですが、予定外の工程の遅れや移転作業を考え、新生やおえだ眼科開院は6月2日(月)となります。

今回をもって全体の打ち合わせ会議が終了とのことでした。関係各位に深く御礼を申し上げます。また、引き続きよろしくお願い申し上げます。

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白内障手術後のドライアイ

白内障手術後の合併症の一つとして、ドライアイやそれに伴う角膜上皮障害が挙げられます。通常は点眼加療を行うなどで、経過とともに改善しますが、中には重篤なケースも散見されます。原因はよくわかっていないのですが、手術による侵襲や術中に視認性を上げるために用いる眼潅流液や生理食塩水などの影響が考えられています。

白内障手術中には、眼潅流液が貯留し、かえって視認性が落ちるため、吸引式の開瞼器を用いることがありますが、本報告では、このタイプの開瞼器の使用が、短期的なドライアイの一因と報告しています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=24488128

眼疾患と死亡率

北京での研究で、各種眼疾患と死亡率の関係を調べたものです。糖尿病網膜症、緑内障以外の視神経症、核白内障と死亡率は関係がありましたが、遠視、近視、強度近視、翼状片、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞、緑内障、皮質白内障とは関連がみられなかったと報告しています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24612916

炭酸脱水酵素阻害薬内服による急性緑内障発作

炭酸脱水酵素阻害薬内服は、長期的には四肢のしびれや代謝性アシドーシスなどの副作用のため、継続して使用することは難しいのですが、短期的には高い眼圧下降効果が得られるため、急性緑内障発作の前治療のひとつとしてよく行われています。一方、稀ではありますが、炭酸脱水酵素阻害薬には、一過性近視や毛様体浮腫、ぶどう膜滲出、水晶体―虹彩隔膜の前方偏移などの機序により、かえって閉塞隅角緑内障を起こしうることも言われており、少ないですが、症例報告がなされています。 本論文は、急性高山病予防に炭酸脱水酵素阻害薬内服を行ったところ、急性緑内障発作を生じたという症例報告です。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24620322