月別アーカイブ: 2022年4月

不同視弱視についての論文につき、院長が共同執筆者を務めました

低濃度アトロピン点眼が学童の近視化を抑制するという報告はいくつもあり、ただ、そのメカニズムは不明な点があります。一つの仮説として、脈絡膜厚がアトロピン点眼により肥厚するために、結果として眼軸長が短くなり、近視化が抑制されるという報告がいくつか散見されます。一方、不同視弱視眼においては、反対眼よりも脈絡膜厚が厚いという報告もあります。
この度、不同視弱視患者に対し、両眼にアトロピン点眼を行ったところ、健常眼に比し、患眼では、脈絡膜厚の肥厚の度合いが小さいことを証明した報告が、川崎医科大学の三木淳司教授の教室からなされました。院長はデータ解析の一部を担当しました。
Changes in Choroidal Thickness and Structure Induced by 1% Atropine Instillation in Children With Hyperopic Anisometropic Amblyopia

視野計のトレーニングシステムの開発につき

眼科における代表的な心理物理学的検査(自覚的症状を他覚的に評価する検査)の一つとして、Goldmann視野計による視野検査がありますが、検者の力量に検査結果が大きく左右されるデメリットがあります。この度、院長が非常勤講師を務めている新潟医療福祉大学において、模擬患者を想定したトレーニングシステムが開発され、その研究結果が雑誌「視覚の科学」に掲載されました。本研究において、検査に習熟している検者に比し、検査に不慣れな検者は有意に視野検査結果が狭いことが示されました。

Goldmann視野計トレーニングシステムを用いた視野の定量評価