近視眼における網膜の厚みと緑内障について

近視とは、「調節力を働かせない状態で、平行光線が網膜より前に焦点を結んでしまう状態」で、多くは軸性近視に属し、正視の人より眼球が大きい(眼軸長が長い)ため、網膜が焦点より後ろにある状態を言います。すなわち近視眼は、風船を大きく膨らませた状態に似ていますので、風船のゴムが薄くなるように、眼球の壁、ひいては網膜も薄くなっていると多くの報告で立証されています。一方、緑内障においては、網膜神経節細胞が障害されるため、その細胞に関わる網膜の層が薄くなります。近視は緑内障のリスクファクターであるため、緑内障眼において網膜が薄いという検査結果がでた場合には、近視のためか、緑内障性視神経障害のためか、判断が付きにくいことがあります。

本論文では、正常眼では、眼軸長が長いほど、黄斑部における網膜神経節細胞に関わる網膜層が薄くなっていたという報告です。今後、網膜の厚みを調べる眼科検査機器においては、近視の程度を補正するプログラムが必要かもしれません。

http://link.springer.com/article/10.1007/s10384-013-0292-2?wt_mc=alerts.TOCjournals

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