人体に必須である栄養素が過剰であったり、毒性のある物質が体内に多く蓄積する場合、種々の疾患を発症させることが示唆されていますが、本論文では、血中微量金属と緑内障との関係を調べた結果、血中マンガン濃度とは負の、水銀濃度とは正の相関があり、これらの結果は、緑内障の病態解明に寄与されることが期待されると報告しています。
Association Between Body Levels of Trace Metals and Glaucoma Prevalence
人体に必須である栄養素が過剰であったり、毒性のある物質が体内に多く蓄積する場合、種々の疾患を発症させることが示唆されていますが、本論文では、血中微量金属と緑内障との関係を調べた結果、血中マンガン濃度とは負の、水銀濃度とは正の相関があり、これらの結果は、緑内障の病態解明に寄与されることが期待されると報告しています。
Association Between Body Levels of Trace Metals and Glaucoma Prevalence
昭和8年8月1日長岡市玉蔵院(現東坂之上)において初代院長八百枝文により、眼科八百枝医院が設立しました
昭和20年8月1日長岡大空襲による戦災のため閉院
昭和20年10月6日長岡市東神田町に移転開業
昭和22年8月1日長岡市愛宕町に移転開業
昭和27年8月1日長岡市長町に移転開業
昭和50年4月1日二代目として八百枝浩が院長に就任
平成20年10月1日三代目として八百枝潔が院長に就任
平成26年6月1日同町にやおえだ眼科として副院長福島淳志を迎え、移転開業しました
本日で創立82周年になりました。今後も良質な医療サービスを提供し、地域医療に貢献していく所存です
また、長岡大空襲70年目の今日、深く哀悼の意を表します
白内障は目の中の水晶体が混濁し、かすみ目や調節低下、まぶしさ、物が二重にみえるなどの自覚症状の後、徐々に視力低下が生ずる疾患で、加齢とともに多くの方が罹患します。白内障を含め、いくつかの眼疾患予防として、米国眼科学会は外出時のサングラスの装用を勧めています。本論文は食生活と眼疾患の関係を調べたものですが、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB6およびB12摂取が白内障発祥リスクを低下させたと報告しています。
緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば、アドヒアランスとは、「患者も治療方法の決定過程に参加した上、 その治療方法を自ら実行すること」であり、緑内障治療を成功させるためにはアドヒアランスを向上させることが極めて重要であると考えられています。
アドヒアランス低下の原因に対する論文はいくつかありますが、最新の本論文によりますと、自己効力感(Wikipediaより、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるかという可能性の認知)の低下、点眼の難しさ、さし忘れ、点眼スケジュールの難しさ、が要因として挙げられました。
The Most Common Barriers to Glaucoma Medication Adherence: A Cross-Sectional Survey.
昨年6月にやおえだ眼科として旧医院から新医院に移転開業させて頂きましたが、その際、当院の緑内障患者の眼圧が下降していることに気づき、統計学的検討を加えたうえで院長が日本眼科学会雑誌に結果を投稿させて頂きました。その結果、このたび日本眼科学会雑誌に掲載されることとなりました。関係各位には深く御礼申し上げます。なお、眼圧が下降した理由として、何らかの心理物理学的ストレスの軽減が考えられました。
よく「緑内障ですが、白内障手術はできますか?」という質問を受けます。緑内障で障害を受けた視野は改善されませんが、濁った水晶体を摘出して透明な人口のレンズを挿入するため、視機能を向上させるためには寧ろ積極的な適応があります。かつ多くの症例で、白内障手術後に眼圧が下がるため、緑内障治療の点でも有利に働くケースが多いと言えます。
本論文では、緑内障眼に白内障手術を行った場合、原発開放隅角緑内障では術後13%、落屑緑内障では20%、原発閉塞隅角緑内障では30%の眼圧下降が得られたと報告しています。よって、白内障が強く、薬物で良好な眼圧コントロールが得られている原発開放隅角緑内障例、落屑緑内障例や、(眼圧上昇のメカニズムを解消させるためにも)眼圧コントロールに関わらず、原発閉塞隅角緑内障例では、白内障手術を行うことを推奨しています。
The Effect of Phacoemulsification on Intraocular Pressure in Glaucoma Patients
眼科診療において、詳細な眼底検査やレーザー、手術などを目的として、ミドリンP®点眼液などの散瞳薬を用いることがしばしばあります。局所においては、急性緑内障発作や薬物アレルギーなどの副作用を来しうるため、稀ではありますが、その使用においては慎重に行うことがあります。ミドリンP®点眼液などの散瞳薬には副交感神経遮断作用を有する薬物の他に、フェニレフリンと呼ばれる交感神経作動薬が含まれていることが多く、高血圧などの全身状態の悪化が懸念されます。
本論文は、過去の多数の論文から、フェニレフリン点眼が血圧や脈拍に影響を与えるか否かを調べたものですが、高濃度でなければ影響はなかったと報告しています。
Cardiovascular Adverse Effects of Phenylephrine Eyedrops A Systematic Review and Meta-analysis
近年睡眠時無呼吸症候群と緑内障についての研究が盛んになされ、おそらく無呼吸時の虚血や、治療の一環であるcpapによる眼圧上昇などが原因と考えられています。
緑内障の本態は網膜神経節細胞の消失ですが、網膜神経節細胞の中で光感受性神経節細胞と呼ばれる一群があり、この細胞は、固有の視物質であるメラノプシンを持ち、概日周期の設定や調整に関与すると考えられています。本論文では、緑内障において光感受性神経節細胞が障害されるため、緑内障により睡眠障害を来す可能性を示唆しています。
多くの緑内障について、治療の第一選択は薬物治療であり、その第一選択薬としてプロスタグランジン関連薬が用いられることは、各国の緑内障診療ガイドラインでも記載がなされている通りです。この度、新しいプロスタグランジン関連薬である、VESNEO (latanoprostene bunod)が治験の第Ⅲ層に至り、世界中で最も使用されているlatanoprostよりも高い眼圧下降効果と低い副作用が示されました。
この度、技術情報教会様から執筆依頼があり、書籍「ジェネリック医薬品・バイオ後続品の開発と販売・マーケティング戦略」中におきまして、「緑内障治療薬におけるジェネリック医薬品の使用実態と先発品からの切り替え判断基準」というタイトルで総説を執筆させて頂きました。緑内障は長期にわたる経過観察と治療が必要で、治療薬のコストを考えると先発品とジェネリック医薬品との薬価の差は無視できず、かつジェネリック医薬品の中には、保存の簡便性や点眼瓶の形状の工夫、アレルギーを起こしやすい防腐剤の変更などが行われている場合があり、その使用に関しては先発品にはないメリットもあります。総説の内容としましては、そのような緑内障治療薬におけるジェネリック医薬品の特性について書かせて頂きました。