対光反射と緑内障

対光反射は、網膜神経節細胞を介して瞳孔の直径を光の強さにより変化させ、網膜に届く光の量を調節する反射であり、各種網膜疾患や視神経疾患などで反射が減弱することが知られています。緑内障は網膜神経節細胞の消失が病態の本質であるため、理屈上は対光反射の変化が生じうると考えられますが、末期になるまでは、一般臨床では観察しづらいのが現状です。
近年、内因性光感受性網膜神経節細胞の働きに注目が当たっているようで、睡眠などの概日リズムを司っていることが示唆されており、また、緑内障においては早期に障害されることが言われています。一方、内因性光感受性網膜神経節細胞は青色の光に感受性が高いことも示唆されています。
本論文は、緑内障症例に対して青色の光を用いた対光反射を調べた結果、比較的早期に、かつ病期の強さに応じて対光反射の減弱がみられたことを報告しており、内因性光感受性網膜神経節細胞の消失がその主因であることを示唆しております。

Pupillary Responses to High-Irradiance Blue Light Correlate with Glaucoma Severity

3 thoughts on “対光反射と緑内障

  1. 初めまして。緑内障に関して、質問させて頂きたいことがあります。場違いな内容でしたら申し訳ありません。

    私の知人に、知人から聞いた話によると『先天性』の『若年性緑内障』であると子供の頃に診断され、手術も不可能であると言われて、現在も診察と点眼を行なっている人がいます。

    ただ、その方に関して気になっていることがあるのですが、彼は片目のみの症状なのですが、その緑内障にかかっている側の半分の顔全体が、顔面麻痺のようになっているらしく、そちらの耳も聞こえづらく、さらには顔が下に下がったように変形…というのでしょうか。片目は瞑っているような感じで、目も、上の粘膜がめくれて少し見えており、眼球は元の位置より少し下に下がっており、ボコッとしているのがわかります。このような症状もあるのですが、この症状に関して、緑内障についていくら調べても同じような症状が表記されておらず、先天性の若年性緑内障で、このようなことが起こりうるのかを聞きたくて質問させて頂きました。

    場違いでしたら記事の削除等していただいても構いません。

    1. 初めまして。先天緑内障についてですが、原則的には薬物治療の効果が不明なため、寧ろ手術治療が第一選択になります。手術が不可能ということでしたら、視機能が既にない状態であることが推測されます。難聴も合併しているということで、先天風疹症候群がまず考えられますが、片側の顔面の異常は生じにくいのでは、と思います。他には、Sturge-Weber症候群が考えられますが、母斑が必ずあるので、やはりこれも違うように思います。申し訳ありませんが、疾患を同定できません。もしかしたら、緑内障ではなく、別な眼疾患かもしれませんが。お役に立てず、すみません。また、サイトの不調で回答が遅れましたこともお詫び申し上げます。

      1. ご丁寧な回答、心より感謝申し上げます。
        こちらの回答を参考に、また別の病気も視野に入れてみたいと思います。

        本当にご丁寧にありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*