近年、異なる作用機序を有する薬物を一剤にまとめた配合剤が各種疾患で用いられるようになり、患者さんにとって、コストや利便性の面で多大なメリットになっています。緑内障薬物治療につきましても、配合剤が頻用されるようになり、その有効性が証明されつつあります。本論文では、原発開放隅角緑内障例に対する治療について、プロスタグランジン関連薬単剤治療に対し、配合剤に変更したところ、更なる眼圧下降がみられたことが示されました。本研究につきましては、当やおえだ眼科も微力ながら協力させて頂きました。関係各位に謝意を申し上げます。
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相対性求心性瞳孔反応欠損の研究につき
相対性求心性瞳孔反応欠損(relative afferent pupillary defect: RAPD)とは、たとえば右眼が視神経症で視力低下していて、左眼が正常の場合
ペンライトを右眼から左へ動かすと左の瞳孔が縮瞳します。そこから右眼にライトを戻すとライトが来た瞬間には右眼は間接反応のため縮瞳しているのですがライトの明るさを右眼は感知できないのでライトを照らしているにも関わらず瞳孔がかえって開いてゆくという奇異な逆の反応が見られます。この現象は視神経疾患を鑑別するために、極めて重要な所見です。しかしながらこの反応は正常でもみられることがあり、また、軽微な場合見逃すことがあります。本論文はRAPDx®という器械を用いてRAPDを観察したところ、極めて高い診断力があったことを示しております。本研究につきましては、院長も微力ながらお手伝いさせて頂き、共同執筆者として名前を入れて頂きました。
創立82周年になりました
昭和8年8月1日長岡市玉蔵院(現東坂之上)において初代院長八百枝文により、眼科八百枝医院が設立しました
昭和20年8月1日長岡大空襲による戦災のため閉院
昭和20年10月6日長岡市東神田町に移転開業
昭和22年8月1日長岡市愛宕町に移転開業
昭和27年8月1日長岡市長町に移転開業
昭和50年4月1日二代目として八百枝浩が院長に就任
平成20年10月1日三代目として八百枝潔が院長に就任
平成26年6月1日同町にやおえだ眼科として副院長福島淳志を迎え、移転開業しました
本日で創立82周年になりました。今後も良質な医療サービスを提供し、地域医療に貢献していく所存です
また、長岡大空襲70年目の今日、深く哀悼の意を表します
日本眼科学会雑誌に論文が掲載されました
昨年6月にやおえだ眼科として旧医院から新医院に移転開業させて頂きましたが、その際、当院の緑内障患者の眼圧が下降していることに気づき、統計学的検討を加えたうえで院長が日本眼科学会雑誌に結果を投稿させて頂きました。その結果、このたび日本眼科学会雑誌に掲載されることとなりました。関係各位には深く御礼申し上げます。なお、眼圧が下降した理由として、何らかの心理物理学的ストレスの軽減が考えられました。
ジェネリック医薬品についての総説につき
この度、技術情報教会様から執筆依頼があり、書籍「ジェネリック医薬品・バイオ後続品の開発と販売・マーケティング戦略」中におきまして、「緑内障治療薬におけるジェネリック医薬品の使用実態と先発品からの切り替え判断基準」というタイトルで総説を執筆させて頂きました。緑内障は長期にわたる経過観察と治療が必要で、治療薬のコストを考えると先発品とジェネリック医薬品との薬価の差は無視できず、かつジェネリック医薬品の中には、保存の簡便性や点眼瓶の形状の工夫、アレルギーを起こしやすい防腐剤の変更などが行われている場合があり、その使用に関しては先発品にはないメリットもあります。総説の内容としましては、そのような緑内障治療薬におけるジェネリック医薬品の特性について書かせて頂きました。
当院の手術につき
平成26年6月2日にやおえだ眼科として移転開業し、もうすぐ1年になります。現在までの手術件数を示します。
白内障手術(単独) 519件
緑内障手術(白内障手術併用を含む) 5件
硝子体手術(白内障手術併用を含む) 29件
抗血管新生薬療法 85件
網膜光凝固術 49件
後発白内障切開術 53件
虹彩光凝固術 22件
選択的レーザー線維柱帯形成術 9件
その他、眼瞼下垂手術、翼状片手術、霰粒腫摘出術などを行いました。
急性緑内障発作や網膜剥離など、緊急を要する疾患に対する手術につきましては、時間外も対応しております。
ラタノプロスト点眼は視野障害進行を抑制させる
緑内障診療において、従来より、緑内障治療薬が眼圧を下げること、眼圧を下げることが視野障害進行を抑制させる唯一根拠のある治療であること、は証明されていましたが、緑内障治療薬を用いることで視野障害進行を抑制させることについては、高いエビデンスレベルでの研究はなされていませんでした。この度、英国でのランダム化比較試験において、代表的な緑内障治療薬であるラタノプロスト点眼液が、視野障害進行抑制の効果があることが初めて証明されました。
https://www.carenet.com/news/journal/carenet/39282
適切な緑内障治療について
米国眼科学会によると、50%以上の緑内障患者が適切な薬物治療を行っておらず、失明に至る重要な問題として提起しています。この問題を解決するために、1.点眼方法が間違っている時には正直に眼科医に相談すること、2.きちんと点眼が継続できない時には医師などに相談すること、3.定期的に点眼できるように、カレンダーを活用したり、例えば歯ブラシの脇に常に点眼瓶を置いておくなどの工夫をすること、4.下瞼をひっぱったりつまんだりして、点眼液が目に入りやすいよう、所謂ポケットを作ること、5.有用な保険を活用すること、6.例えばマリファナは眼圧を下げることが知られているが、もちろん副作用の方が強く、医療用の緑内障治療薬の方が有用であることを理解すること、などを挙げています。http://www.aao.org/newsroom/release/more-than-half-of-people-with-glaucoma-skip-or-improperly-administer-medications.cfm
年末年始の診療につき
年末年始の診療のご案内です。以下の如くになります。
平成26年12月29日(月)は午前のみ診療、午後は休診となります。
平成26年12月30日(火)~平成27年1月4日(日)まで休診となります。
新年の診療開始は平成27年1月5日(月)~となります。
よろしくお願い申し上げます。
緑内障における眼循環、眼底構造変化、視野障害に関する原著論文が掲載されました
院長は他施設の研究のお手伝いを依頼されることがあります。この度、微力ながらお手伝いをさせて頂いた研究の原著論文が雑誌「あたらしい眼科」に掲載されました。緑内障の本態は緑内障性視神経障害ですが、それを引き起こす要因として、眼圧のほかに従来より眼循環の関与が指摘されてきました。本原著論文では、正常眼圧緑内障において、視神経乳頭血流と視神経乳頭形態、網膜厚、視野指標との関連を調べたもので、互いに強い関連がみられ、視神経乳頭血流の循環動態を捉えることが、緑内障治療の一助になる可能性を示唆しています。共著者に名前を連ねさせて頂き、関係各位に深く御礼申し上げます。