緑内障の発症および病期の進行における最大の危険因子である眼圧を正確に測定するためには、本来眼球内部にセンサーを入れて評価しなければならないのですが、当然のことながら生体眼では不可能なため、多くの眼圧計では角膜を介して眼圧が測定されます。眼圧を測定するうえで問題となるのは、角膜が厚い場合には眼圧が高めに測定されるため、過大評価される可能性があるということで、もちろん逆もしかりです。また、角膜が薄い場合には、視神経を保護する篩状板も脆弱である可能性が指摘され、より緑内障になりやすいとする仮説もあります。
代表的な緑内障治療薬であるプロスタグランジン関連薬では、コラーゲン線維の変性を来すため、角膜厚を薄くさせる効果があると指摘されています。本論文では、4年にわたる長期的な観察でも、角膜厚は薄くなったと報告しています。ただし、眼圧値との相関はなかったとのことです。