月別アーカイブ: 2014年1月

緑内障眼に対する白内障手術

「緑内障があっても白内障手術はできますか?」と聴かれることがよくあります。基本的には可能ですし、一般的には眼圧がわずかながら下がるので、むしろ勧めることもあるくらいです。しかしながら注意すべき点は、逆に白内障手術後眼圧が上がる例もみられることです。

本研究では、緑内障眼に白内障手術を行ったところ、術前平均眼圧が16.3mmHgだったのが、術後14.5mmHgに下がったものの、38%で眼圧コントロールが悪くなったと報告がなされました。術後の低い眼圧と関連する因子は、術後に薬物の変更がない、術前高眼圧、高齢、深い前房とのことです。

http://www.ajo.com/article/S0002-9394(13)00583-7/abstract

緑内障診療の進歩

アメリカでの研究ですが、1965年~1980年に緑内障と診断され、1995年まで追跡調査を行った結果、少なくとも片眼が失明したのは25.8%であったのに対し、1981年~2000年に緑内障と診断され、2009年まで追跡調査を行った例では13.5%に減じていた、とのことでした。主因は緑内障治療の進歩と位置付けていますが、未だ失明例が多いことにも注意すべきです。

http://www.aaojournal.org/article/S0161-6420(13)00808-7/abstract

緑内障では、環境によってみえ方が違うか?

緑内障外来において、患者さんの眼圧が高いために検査入院して頂くと、眼圧が下がっていることがよくあります。この場合はアドヒアランスが原因と思われますが、環境に応じて検査データが異なることはあらゆる疾患でみられることと思います。

本論文では、緑内障患者において、家と病院とでみえ方を比較したところ、病院の方がよくみえたという報告です。原因は照明の明るさとのことですが、このように、病院でいいデータが出たとしても、患者さんの日常生活には影響が出ている可能性があることを、医者は勘案する必要があります。

http://archopht.jamanetwork.com/article.aspx?articleID=1779718&utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook&utm_campaign=feed_posts%0A

本日の新医院

今日の長岡市は終日雨模様です。しかしながら、この時期の長岡市で、雪でもみぞれでもないのは、例年より気温が高いということでしょうか?

現医院の正式名称は「眼科八百枝医院」ですが、新医院は「やおえだ眼科」に変更する予定です。よろしくお願い申し上げます。IMG_4771

体重と緑内障

過去にライフスタイルと緑内障について前向きに調べた大規模スタディがあります。社会的経済的地位や飲酒、喫煙、肥満などと緑内障について調べたところ、多くの因子で関連はみられなかったものの、女性については、肥満(BMIが高い)と眼圧に正の相関があったものの、逆に肥満と緑内障の発症には負の相関があったという結論です。相反している結果ですが、院長の経験上も、同じような印象を持っております。理由は不明ですが、体重が軽いほど、視神経に至る栄養が少なくなる可能性があるということでしょうか?

今後更なる研究が行われると思われますし、日本人では違った結果も出てくるかもしれません。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21320952