今日の長岡市は、春のような暖かさです。これから夕方にかけて雪が降る予報です。
「院長ブログ」カテゴリーアーカイブ
カラーコンタクトレンズの使用について
米国眼科学会のガイドライン(2012)では、カラー美容用コンタクトレンズを安全に使用するために、以下のことを推奨しています。
・眼科医の検査を受ける。
? メーカー名,レンズの規格,使用期限が明記された有効な処方せんを入手する。
? 眼科医の処方せんを要求するCL販売店から仮装用カラーCLを購入する。
? 説明書に書かれたケア(洗浄・殺菌),装用方法を守る。
? 他の誰かとの仮装用カラーCLの共有は絶対にしない。
? 眼科医のフォローアップ検査を受ける。
日本においても、同様の啓発がなされているのですが、遵守されていないケースが国内外ともあるようです。
下記の報告によれば、重篤な角膜感染症にいたったカラーコンタクトレンズ装用者13名のうち、使い回しが5名、ゴミ箱から拾ったものを使ったケースもあったようです。
レーザー虹彩切開術と角膜内皮細胞
レーザー虹彩切開術は、閉塞隅角緑内障に対し、「瞳孔ブロックを解除し前後房の圧差を解消して隅角を開大する」目的で行われ、緑内障診療ガイドライン(第三版)においては、「瞳孔ブロックによる原発ならびに続発閉塞隅角緑内障では第一選択の治療である。プラトー虹彩が疑われる症例に対して瞳孔ブロックの要素を除去する目的で行ってもよい。」と記載されています。しかしながら、稀に角膜内皮細胞が障害され、水疱性角膜症という重篤な合併症を起こすことがあり、治療の適応は慎重に考慮すべきです。
本論文では、原発閉塞隅角症疑い(原発性の隅角閉塞があり、眼圧上昇も、器質的な周辺虹彩前癒着も緑内障性視神経症も生じていない例)の片眼に、予防的レーザー虹彩切開術を行ったところ、3年後に角膜内皮細胞の減少がみられたものの、未治療眼にも減少がみられ、両眼間で減少の程度に差がなかったと報告しています。
本日の新医院
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視野検査後の眼圧上昇
緑内障患者さんの経過をみていくうえで、治療を変更するきっかけになるきっかけは、多くは視野検査結果と思われます。一般的に緑内障性視野障害は、十分な治療を行っても、徐々に進行していくことが多く、その場合であっても将来的に視機能に問題がない(自覚症状に変化が生じない)であろうと判断されれば、治療方針を変更しないのですが、過去の視野検査結果から、著しい視野障害の進行や、視機能に影響する中心近くの視野障害の進行、新規に暗点が生じる、などの変化を認めれば、より強力な眼圧下降治療を行うことになるかと思われます。そのほか、眼圧についても、治療薬に効果がない、目標眼圧に到達しない、眼圧上昇がみられる、副作用が出現する、などのきっかけで治療を変更することがあります。
本論文では、視野検査を行った後の眼圧は、普段の外来受診時の眼圧よりも高かったと報告しています。理由はストレスなどではないかとのことです。よって、視野検査直後の眼圧値を基に治療方針を判断しない方がいいだろうとの結論です。
本日の新医院
続発緑内障について
一般的に「緑内障」というと原発開放隅角緑内障(広義)をイメージするかと思われます。また、風邪薬などの添付文章などで「緑内障の方は注意ください」などと書かれる場合には、原発閉塞隅角緑内障を想定します。これらの緑内障は、「緑内障性視神経症」の有り無しで緑内障かどうかの診断がなされます。
一方、少ない割合ですが、続発緑内障と呼ばれる一群があります。本疾患は、「他の眼疾患、全身疾患あるいは薬物使用が原因となって眼圧上昇が生じる緑内障」なのですが、緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば「本症の一部では、原疾患、他疾患の存在により緑内障性視神経症による視神経の形態的変化、機能変化(視野変化)の評価が困難である。このため、経過措置として、従来の解釈どおり、続発緑内障には続発性の眼圧上昇を有し、緑内障性視神経症を生じていない症例を含めることと」しております。
これらの理由で、包括的な緑内障の定義が困難なものとなっております。緑内障の本態は「進行性の網膜神経節細胞の消失とそれに対応した視野異常である緑内障性視神経症」であることには違いはないのですが、続発緑内障について言えば「眼圧上昇」のみで緑内障と診断することがあるからです。そのような事情もあり、患者さんに「自分は緑内障ですか?」と聴かれると、おこたえし辛いケースが多々あります。
本日の新医院
眼精疲労の治療について
眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。治療は、近業の制限などの生活習慣の改善や近用眼鏡装用などが主となります。
中国の学生について眼精疲労を調べた報告では、パソコンなどの近業を危険因子として挙げていますが、十分な睡眠や安定した精神状態、良好な生活環境のほか、葉菜類の接種は症状軽減に有効であるとしています。