「院長ブログ」カテゴリーアーカイブ

片頭痛と緑内障

緑内障の発症および病期の進行に、眼循環や全身循環の低下が関与されていることが多くの報告で示唆されています。古典的に片頭痛と緑内障の関係についての報告もいくつかあります。一般的に片頭痛は頭部や三叉神経を栄養する血管が拡張することにより生じることが言われていますが、このような循環の変化が大きい人は緑内障になりやすいと考えられています。

本論文では、眼組織の深部である脈絡膜(血管が豊富な組織)を観察できる新しい光干渉断層計(enhanced depth imaging optical coherence tomograph)を用いて、片頭痛患者の脈絡膜厚を測定したところ、発作時や頭痛が起こった側の眼の脈絡膜厚が厚くなっていることを報告しています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24574436

 

 

白内障手術の精度

白内障手術は、濁った水晶体を除去して、人工の眼内レンズに入れ替える手術ですが、眼内レンズの度数については、患者さんの希望などに応じて術前に予測して決定されます。しかしながら、術後に予測値からはずれてしまい、強い度数の眼鏡装用が必要なケースもあります。ただし、近年では、検査機器の精度の向上や、度数の換算式の改良などにより、そのような度数のずれを起こすケースが少なくなっています。

本論文では、白内障術後90日以内には94%の例で、術前に予測した度数にほぼ合致した度数が得られたと報告しています。

http://www.aaojournal.org/article/S0161-6420(13)00842-7/abstract

花粉症の季節が始まりました!

昨日今日と、毎年花粉症で受診なさっている患者さんが、多数来院されました。お話を伺いますと、2月24日頃発症、pm2.5が飛散した26日に悪化したというケースがほとんどのようです。

速報では、まだ長岡市での花粉の飛散は少ないのですが、季節性アレルギー性結膜疾患の治療は季節前に治療を開始すると効果的と言われています。花粉症をお持ちの方は、専用の眼鏡装用をお奨めします。

血管新生緑内障の治療

血管新生緑内障とは、糖尿病網膜症や網膜中心静脈閉塞症などの眼虚血性疾患において、虚血状態を補償するために新生血管や膜状物質が発生し、それらが房水の出口である隅角部を覆い、房水が排出されないために生ずる難治緑内障です。血管新生緑内障の治療として、緑内障診療ガイドライン(第三版)では、原疾患の治療(レーザーなど)のほか、「原発開放隅角緑内障に準じて薬物治療を行うが、…血管新生緑内障に対して抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor: VEGF)薬の眼内投与の有効性が報告されており、短期的な症状緩和や手術成績の向上に有効である。」、「線維柱帯切除術(代謝拮抗薬併用/非併用)を行う。レーザー線維柱帯形成術は無効であるばかりではなく有害である。」としています。

本論文は、抗VEGF抗体の点眼により、眼圧下降に一定の効果がみられ、かつ新生血管の退縮も一部にみられたと報告しています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24556733

 

 

今朝の新医院

今朝の長岡市も、何となく霞がかっている気がします。pm2.5は正常範囲内に入っているとは言え、今朝の新潟市の速報値によりますと、やはり通常よりも高めのようです。花粉症の季節でもあり、季節性のアレルギー性疾患をお持ちの方は、十分留意して下さい。

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白内障術後の眼圧上昇

一般的に白内障手術後は、隅角開大やチン氏帯のテンションの変化などのため眼圧が下降することが多いのですが、症例によっては逆に眼圧が上がってしまうことがあります。本論文では、1270眼中、12眼が眼圧上昇し、何らかの処置を施したと報告していますが、眼圧上昇の理由は術後の消炎のためのステロイド使用、糖尿病患者の瞳孔ブロック、残余皮質などを挙げています。緑内障手術既往眼、特に若年の強度近視、糖尿病患者に白内障手術を行う場合は注意を要すると結論付けています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24557756

 

選択的レーザー線維柱帯形成術の有効性

緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば、「緑内障に対するエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は眼圧を下降すること」であり、「原発開放隅角緑内障の治療は薬物治療を第1選択とする」ものの、眼圧コントロールが不良な場合には、薬物を増やすことが考慮され、「一般的に、眼圧コントロールに多剤(3剤以上)の薬剤を要するときは、レーザー治療や観血的手術などの他の治療法も選択肢として考慮する必要」があります。しかしながら、房水流出路である線維柱帯に小孔を形成させるアルゴンレーザー線維柱帯形成術では、術後の瘢痕形成により、かえって眼圧が上昇することがあり、一般的な緑内障手術である線維柱帯切除術では、眼圧管理などの理由で長期入院が必要なこともあり、いずれも忍容性に若干の問題があると考えます。比較的新しい治療である選択的レーザー線維柱帯形成術(selective laser trabeculoplasty; SLT)では、主に線維柱帯に溜まった色素を蒸発させて眼圧を下降させる治療で、治療効果の持続性は短いと言われているものの、正常な眼組織を破壊しないため、安全に繰り返し行える治療です。
本論文は、多剤併用の薬物治療でも眼圧コントロールが不良であった症例にSLTを行ったところ、一定の効果がみられたと報告しています。手術に抵抗のある方にはお奨めできる治療の一つと考えています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24558611

本日の新医院

昨日の新潟県はPM2.5の影響で霞がかっていましたが、今日の長岡市は少し霞が少ないようです。新潟市の速報値でも昨日よりはやや少なめのようです。しかしながら、外出時にはマスクの装用と、特にアレルギー性結膜疾患をお持ちの方は、眼鏡装用をお奨めします。

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PM2.5による目の影響

本日新潟に初のPM2.5の注意喚起があり、外出や換気を控えるよう指示が出されました。

PM2.5による目の影響を調べてみました。ハワイの火山での影響について調べた論文ですが、他覚眼科所見としては充血、粘性透明な眼脂、結膜乳頭増殖、涙点浮腫、眼瞼浮腫、結膜浮腫が、自覚的にはほぼ全例で痒み、異物感、流涙、灼熱感がみられたそうです。

外出時にはマスクとともにメガネの着用も推奨します。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22187513