「ニュース」カテゴリーアーカイブ

カラーコンタクトレンズの使用について

米国眼科学会のガイドライン(2012)では、カラー美容用コンタクトレンズを安全に使用するために、以下のことを推奨しています。

・眼科医の検査を受ける。
? メーカー名,レンズの規格,使用期限が明記された有効な処方せんを入手する。
? 眼科医の処方せんを要求するCL販売店から仮装用カラーCLを購入する。
? 説明書に書かれたケア(洗浄・殺菌),装用方法を守る。
? 他の誰かとの仮装用カラーCLの共有は絶対にしない。
? 眼科医のフォローアップ検査を受ける。

日本においても、同様の啓発がなされているのですが、遵守されていないケースが国内外ともあるようです。

下記の報告によれば、重篤な角膜感染症にいたったカラーコンタクトレンズ装用者13名のうち、使い回しが5名、ゴミ箱から拾ったものを使ったケースもあったようです。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22378117

眼精疲労の治療について

眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。治療は、近業の制限などの生活習慣の改善や近用眼鏡装用などが主となります。

中国の学生について眼精疲労を調べた報告では、パソコンなどの近業を危険因子として挙げていますが、十分な睡眠や安定した精神状態、良好な生活環境のほか、葉菜類の接種は症状軽減に有効であるとしています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24195055

現医院の沿革につき

新医院の開設手続きを行うにあたり、医院内の書庫を探ってみたところ、現医院の沿革についての正確な記載が書かれた書類がみつかりました。以下に現医院の沿革につき示します。
昭和8年8月1日 長岡市玉蔵院町甲924番地において眼科八百枝医院開設
昭和20年8月1日 戦災により廃止
昭和20年10月6日 長岡市東神田町1丁目1187番地において仮診療所開設
昭和22年8月1日 長岡市愛宕町2丁目1542番地に新規診療所開設
昭和27年8月1日 長岡市長町2丁目1709番地(現住所)に新規診療所開設
現在に至る

玉蔵院(現東坂之上町、山本五十六氏の生家のお隣だったそうです)時代のことをご存じの患者さんが今も来られていることに驚かされます。

ドライアイのチェック

まだまだ乾燥した寒い気候が続きます。ドライアイの症状で来院される患者さんは暖かい時期より多いです。以下にドライアイ研究会が提唱するチェック項目を示します。

□目が疲れる
□目が乾いた感じがする
□ものがかすんで見える
□目に不快感がある
□目が痛い
□目が赤い
□目が重たい感じがする
□涙が出る
□目がかゆい
□光を見るとまぶしい
□目がごろごろする
□めやにがでる

5項目以上該当したらドライアイの疑いがあります。また、10秒間瞬きを我慢できるか?というチェック方法もあります。症状が強いようでしたら、眼科受診を勧めます。

流行性角結膜炎

本来夏期に流行するウイルス性結膜炎である、はやり目(流行性角結膜炎)の患者さんが、暖冬のせいか、今でも眼科受診なさる方が多く見受けられます。直接接触やタオルなどの媒介物を通じて感染すると言われています。学校保健安全法における第三種感染症に該当し、子どもの場合は罹患すると、幼稚園、保育園その他各種学校において出席停止扱いになります。特にお子様がおられるご家庭では十分お気を付け下さい。また、強い目やに、充血がみられた場合には速やかに眼科を受診して下さい。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23473088

3D OCT-1 Maestro

光干渉断層法 (Optical coherence tomography; OCT)は、光の干渉現象を応用して、主として眼底の微細な構造を、高解像度の断層像として表す画像解析法です。緑内障や網膜疾患などの診断に大変有用な検査機器で、院長は以前眼科医向けに総説を執筆したこともあります。

OCTによって緑内障診療の何が変わるか ─後眼部OCT(3)─3D OCT-2000

新医院に移転するにあたり、ジョイスティックはなく、タッチパネルでの操作が可能で、簡便で素早い画像取得および解析ができるOCT(3D OCT-1 Maestro)を導入することになりました。本日現医院でデモを行いましたが、オートアラインメント機能に優れ、撮影時間も短く、検者、被験者とも負担が少ない優秀な器械と思いました。

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年末年始の休診日

読者の方からお問い合わせがありましたが、現医院は本日12月30日(月曜日)から1月3日(金曜日)までお休みを頂いております。皆様方にはご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。なお、新年は1月4日(土曜日)から診療を開始いたしますが、通常通り当日は午前のみの診療となります。

私って目がいいんですよ

「だから目医者さんって初めてかかるんですよ」とお話しされるご高齢の方が結構見受けられます。眼科医としては、ドキッとします。原発閉塞隅角緑内障の可能性があるからです。

「目がいい」=「正視または遠視」の可能性が高く、その場合、眼球の形状が他の人に比べて小さい可能性があり、房水(眼球内を循環する透明な血液)の流出路である、隅角が狭いケースが多く見受けられます。

隅角は加齢に伴い、眼内の水晶体の膨隆や前方移動のために狭くなる方がいます。原発閉塞隅角緑内障であった場合、レーザーや手術治療が必要なことが多く、「目がいい」方こそ、眼科に受診する必要があると思います。

眼病とサプリメント

昨日も診療中にご質問がありました。「納豆って目に悪いんですか?」。血流を良くするという意味で、いい効果もありそうですが、出血傾向も増えそうで、いいとも悪いとも言い難いです。その後自分なりに調べてみたのですが、特に研究がなされているという訳ではないようです。

「ブルーベリーが目にいい」という話はよく聴きます。しかしながら、はっきりとした研究結果が出ている訳ではありません。とは言え、個人的にはサプリメントを使用することは基本的には否定しません。と言いますのも、「日常生活の中で、自分の眼を何とかしたい!」という意志は尊重すべきと思うからです。病気に関心を持つ、ということは治療を成功に導くいいきっかけだと思いますし、そのような人ほどアドヒアランスがいいと考えるからです。更には、いろんな生活習慣やサプリメントなどを試すことによって、何が効いて何が効いてないかを類推し、それが後々きちんとした研究成果に表れることもありうるからです。

注意すべき点は三つあります。ひとつは、基本的には、医療機関で処方される薬物は、それなりに根拠があって使用される訳で、それら薬物を否定して、根拠の薄いサプリメントを求める姿勢はよくないと思われます。一つは、高額なサプリメントは控えるべき、ということです。あくまで日常生活の中で、負担がない程度に抑えるべきです。最後の一つは、理屈上効くと思われていたサプリメントが、後に逆効果が示される可能性があり、十分な配慮が必要ということです。加齢黄斑変性に効くと考えられていたβカロテンが、喫煙者には癌を風発する作用を有することが示されたのが一例です。何事も程々に、と思われます。