「ニュース」カテゴリーアーカイブ

多焦点眼内レンズと視野

今日においても、多くの白内障手術では、濁った水晶体を超音波乳化吸引装置で摘出し、代わりに挿入する人工レンズ(眼内レンズ)は、単焦点眼内レンズです。すなわち、若い頃のようにみたいすべての距離にピントが合うのではなく、ある1点にピントが合うレンズです。したがって、ピントが合う距離以外みたいときには、ほとんどの場合、眼鏡が必要となります。例として、遠くが見えるような度数の単焦点眼内レンズを挿入した患者さんは、運転やゴルフは眼鏡なしでいいのですが、近くの字を読みたい時などには近用眼鏡(いわゆる老眼鏡)が必要です。
近年、多焦点眼内レンズを用いることにより、遠近ともみえることができ、眼鏡に依存しない日常生活が可能なケースが増え、QOL(quality of life)の向上が期待されます。

しかしながら、欧州緑内障学会の報告によれば、緑内障患者に多焦点眼内レンズを挿入した場合、視野全体の感度の低下がみられるため、白内障手術後の眼科検査の一つとして、早急に視野検査を行い、新たなベースラインデータを作成することを推奨しています。

http://www.eugs.org/eng/tips_showtip.asp?id=2205

新医院への移転につき

主に新医院の工事の進捗状況に左右されますが、新医院への移転につき、現時点での予定では、休日当番日である平成26年5月25日(日)をもって、現在の眼科八百枝医院を閉院し、移転に伴う準備のため、翌5月26日(月)~5月31日(土)まで休診とさせて頂きます。平成26年6月1日(日)にやおえだ眼科内覧会を執り行わさせて頂き、翌6月2日(月)~新医院での診療を開始させて頂きます。また、新医院では、日帰り白内障手術、硝子体手術に対応いたします。新医院の住所と電話番号は下記となります。

〒940-0053 新潟県長岡市長町2-1649-1(現医院から歩いて30秒のところです)

電話番号0258-32-0833(現在と同じ番号の予定です)

まだ暫定的な予定ですが、変更点が出てきましたら随時ご報告申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

カラーコンタクトレンズの使用について

米国眼科学会のガイドライン(2012)では、カラー美容用コンタクトレンズを安全に使用するために、以下のことを推奨しています。

・眼科医の検査を受ける。
? メーカー名,レンズの規格,使用期限が明記された有効な処方せんを入手する。
? 眼科医の処方せんを要求するCL販売店から仮装用カラーCLを購入する。
? 説明書に書かれたケア(洗浄・殺菌),装用方法を守る。
? 他の誰かとの仮装用カラーCLの共有は絶対にしない。
? 眼科医のフォローアップ検査を受ける。

日本においても、同様の啓発がなされているのですが、遵守されていないケースが国内外ともあるようです。

下記の報告によれば、重篤な角膜感染症にいたったカラーコンタクトレンズ装用者13名のうち、使い回しが5名、ゴミ箱から拾ったものを使ったケースもあったようです。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22378117

眼精疲労の治療について

眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。治療は、近業の制限などの生活習慣の改善や近用眼鏡装用などが主となります。

中国の学生について眼精疲労を調べた報告では、パソコンなどの近業を危険因子として挙げていますが、十分な睡眠や安定した精神状態、良好な生活環境のほか、葉菜類の接種は症状軽減に有効であるとしています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24195055

現医院の沿革につき

新医院の開設手続きを行うにあたり、医院内の書庫を探ってみたところ、現医院の沿革についての正確な記載が書かれた書類がみつかりました。以下に現医院の沿革につき示します。
昭和8年8月1日 長岡市玉蔵院町甲924番地において眼科八百枝医院開設
昭和20年8月1日 戦災により廃止
昭和20年10月6日 長岡市東神田町1丁目1187番地において仮診療所開設
昭和22年8月1日 長岡市愛宕町2丁目1542番地に新規診療所開設
昭和27年8月1日 長岡市長町2丁目1709番地(現住所)に新規診療所開設
現在に至る

玉蔵院(現東坂之上町、山本五十六氏の生家のお隣だったそうです)時代のことをご存じの患者さんが今も来られていることに驚かされます。

ドライアイのチェック

まだまだ乾燥した寒い気候が続きます。ドライアイの症状で来院される患者さんは暖かい時期より多いです。以下にドライアイ研究会が提唱するチェック項目を示します。

□目が疲れる
□目が乾いた感じがする
□ものがかすんで見える
□目に不快感がある
□目が痛い
□目が赤い
□目が重たい感じがする
□涙が出る
□目がかゆい
□光を見るとまぶしい
□目がごろごろする
□めやにがでる

5項目以上該当したらドライアイの疑いがあります。また、10秒間瞬きを我慢できるか?というチェック方法もあります。症状が強いようでしたら、眼科受診を勧めます。

流行性角結膜炎

本来夏期に流行するウイルス性結膜炎である、はやり目(流行性角結膜炎)の患者さんが、暖冬のせいか、今でも眼科受診なさる方が多く見受けられます。直接接触やタオルなどの媒介物を通じて感染すると言われています。学校保健安全法における第三種感染症に該当し、子どもの場合は罹患すると、幼稚園、保育園その他各種学校において出席停止扱いになります。特にお子様がおられるご家庭では十分お気を付け下さい。また、強い目やに、充血がみられた場合には速やかに眼科を受診して下さい。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23473088

3D OCT-1 Maestro

光干渉断層法 (Optical coherence tomography; OCT)は、光の干渉現象を応用して、主として眼底の微細な構造を、高解像度の断層像として表す画像解析法です。緑内障や網膜疾患などの診断に大変有用な検査機器で、院長は以前眼科医向けに総説を執筆したこともあります。

OCTによって緑内障診療の何が変わるか ─後眼部OCT(3)─3D OCT-2000

新医院に移転するにあたり、ジョイスティックはなく、タッチパネルでの操作が可能で、簡便で素早い画像取得および解析ができるOCT(3D OCT-1 Maestro)を導入することになりました。本日現医院でデモを行いましたが、オートアラインメント機能に優れ、撮影時間も短く、検者、被験者とも負担が少ない優秀な器械と思いました。

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年末年始の休診日

読者の方からお問い合わせがありましたが、現医院は本日12月30日(月曜日)から1月3日(金曜日)までお休みを頂いております。皆様方にはご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。なお、新年は1月4日(土曜日)から診療を開始いたしますが、通常通り当日は午前のみの診療となります。