「眼についての最新情報」カテゴリーアーカイブ

近視の進行を抑えるコンタクトレンズ

近視は特にアジア人に多いと言われ、10代の80%を占めると報告されています。近視を抑制させる研究は、近年とても盛んに行われています。眼を正視化させるには、如何に調節なしに網膜上に対象物の焦点を合わせられるか?によります。しかしながら、実際の眼のオートフォーカス機能は若干弱く、自分でははっきりみえているように思っても、焦点が網膜面より後ろ(遠視側)に合っていたり、網膜周辺部でどうしても後ろに焦点が合ったりするため、目の長さ(眼軸長)が伸びて近視化すると考えられています。

ホンコンで行われた研究によれば、中心が正視で周辺が近視側に矯正させた二焦点のコンタクトレンズを装用してもらうことで、わずかですが、近視が抑制されました。

http://bjo.bmj.com/content/98/1/40.short?rss=1

弱視と3D立体映像

赤ちゃんの眼は、最初は光があるなしくらいしかみえないものが、光刺激により視機能が発育し、おおよそ6歳くらいで両眼視機能が完成されると言われています。しかしながら、斜視や遠視などが原因で視機能の発育が遅くなることがあり、視力がでない、立体視ができないといった症状がでるのが弱視です。適切な治療で十分な視機能を得られることも多いですが、健常人と比べ、立体視機能が劣るケースもしばしばあります。最新号の日本眼科学会雑誌におきましても、3D立体映像の視聴において、弱視例では「立体に見えない」や「疲れる」といった症状が多々あると報告がなされましたが、最新の海外論文でもそれを支持する報告が出されました。

弱視は早期発見と適切な治療(特に家族の協力)が肝要です。小さいお子様がおられる家庭につきましては、十分注意して下さい。また、小さい子の3D立体映像の視聴は急性内斜視などの合併症を起こすことがありますので要注意です。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23928879

水の飲み過ぎは緑内障を悪化させますか?

緑内障誘発試験というものがいくつかあり、院長が医者になりたての頃は教科書によく載っていたのですが、例えば緑内障かどうかを調べるために、5分間に水を1リットル飲んで眼圧が上がるかどうかを調べる試験、飲水試験というものがありました。このような緑内障誘発試験は、その有用性の少なさと危険性を鑑みて、現在ではほぼ廃れてしまいました。

こちらは最新の論文で、飲水試験の方が、カフェイン接種よりも眼圧が上がるという内容です。水の飲み過ぎにしろ、カフェインの摂り過ぎにしろ、通常の生活の中では起こりえない条件でなければ眼圧は上昇しませんので、上記のような質問には、「あまり気にする必要はありません」とお答えしています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24304594

緑内障患者さんの視野って?

多くの緑内障患者さんは自覚症状がありません。自覚する代表的な初発症状は視野欠損であって、一般的には後期にならなければ視力は低下しません。でも視野欠損ってどんな風にみえるのでしょうか? みなさん視野って耳側に手をパタパタさせて、それがみえるかどうかをイメージすると思います。多くの緑内障では、鼻側の視野に暗点が出て、病期が進むとそれが深くなり、拡がっていきます。周辺の視野が欠損するのは後期にならないとおきません。つまり光に対する感度が落ちるのが最初の症状ですので、緑内障の視野検査では、感度を調べる検査をまず行うことが一般的です。調べる範囲は中心24度または30度です。なぜこの範囲を調べるのでしょうか? 理由は自覚症状が出やすい範囲であるということと、古典的に緑内障の初期では95%がこの範囲に異常がみられると言われていることからです。

院長は、検査でみられる暗点は、患者さんも同じように自覚しているものと長い間思っていました。緑内障患者さんはどのように視野異常を自覚しているかを調べた論文があります。今年報告された重要な論文です。黒いトンネルを通じてみえるとか、黒い眼帯をしているようにみえるとかいうのは稀で、多くは部分的に霧視がみえるようです。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23415421

加齢黄斑変性

欧米では失明原因の第一位になっている加齢黄斑変性。喫煙や高血圧、高脂血症などが発症の一因として挙げられますが、アルツハイマーや痴呆との関連はなく、また、加齢黄斑変性がアルツハイマーや痴呆の発症や進行を促すこともないという報告がありました。

http://archopht.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1774028