今日の長岡市は、朝はみぞれ混じりでしたが、昼頃から晴れています。週末の降雪はほとんど目立ちません。
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有酸素運動と眼圧
有酸素運動後は眼圧が下がるというデータは過去にも多くの報告がありましたが、本論文は、メタアナリシスでそれを証明しております。ただし、どの程度の有酸素運動が必要か?については不明のようです。
フルオロキノロン内服と網膜剥離の発症について
フルオロキノロンは眼科領域も含め、一般臨床で頻用されている抗生物質です。一昨年フルオロキノロン内服が網膜剥離発症頻度を高めるという論文が発表され、物議を醸しました。フルオロキノロンが角膜内皮障害を引き起こすなど、いくつかの細胞毒性の報告があったものの、眼内の奥にある網膜障害を引き起こすことに対して、にわかに信じ難かったからです。
最新の本論文は、その反証です。調査する母集団や統計学的手法などから、予想がつかない結果や、統一しない結果が出ることはよくあります。この研究についても、更なる検討が必要と考えます。
本日の新医院
視覚における臨界期について
私たちの視力や両眼視機能の発達は1歳前後にピークがあり、その後8歳くらいまでしか育たないと言われています。それを臨界期と呼びます。臨界期の間に斜視や遠視、白内障などで視覚刺激が少なくなってしまった場合、視機能の発育が遅れ、弱視となってしまいます。そのため、臨界期までに良好な視力と両眼視機能の獲得が必要であり、例えば先天白内障を認めた場合、臨界期までに手術加療が必要と、眼科学的には考えられてきました。
本論文では、先天白内障例に対し、10代前後で白内障手術を行ったところ、明らかな視機能向上がみられたという報告です。従来考えられていた臨界期を超えても、視機能獲得のための治療は有効である可能性があるという結論です。
ビタミンDと緑内障
緑内障に有効なサプリメントについては沢山の報告があります。しかしながら、それらの多くは作用機序が不明であったり、統計学的検討が十分でなかったりで、決め手に欠けるところがあります。
本論文では、ビタミンDの欠乏と緑内障との間に相関があったとしています。しかしながら、多変量解析においては、交絡因子の関係などで、研究によっては、逆の結果がでることもありますので、今後の研究が待たれます。
本日の新医院
今日の長岡市は小雪が舞っていますが、積もるほどの降雪量ではなさそうです。
先日、当院かかりつけの患者さんが、「ありがとうございました!」と言って下さいました。まだ診察もしていないのに、なんだろう?と思っていたら、「新医院建築の○○は、あたくしのところが請け負ったんですよ! 立派でしょう!?」とのことでした。新医院を立ち上げるにあたり、院長が打ち合わせなどでお会いする関係者はわずかですが、とてもとても多くの方が新医院に関わって下さっていることを実感し、大変うれしく感じました。
開業医の使命は地域医療に他なりません。かつ可能な限り質の高い医療を提供する努力は怠ってはならないと思います。そんな中で、地域の経済の活性化も大切な役割と思っています。ですので、新医院の立ち上げについては、可能な限り地元企業重視の視点でお願いしてきました。「オール長岡!」で新医院を作り上げることは、院長の理念の一つです。
Preperimetric glaucomaの経過
以前にも述べましたように、緑内障にはpreperimetric glaucomaと呼ばれる疾患群があります。緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば、「眼底検査において緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態をpreperimetric glaucomaと称することがある。」と記載されています。多くの疾患について当てはまると思われますが、人体は形態的異常(各種画像検査データなど)が生じてから機能的異常(自覚症状など)が生じます。緑内障においても、一般的に視神経障害が生じてから視野障害が生じます。すなわち、preperimetric glaucomaとは、形態的異常はみられるけれども、機能的異常がみられない状態であり、緑内障の一歩手前の状態と言えます。
本研究では、眼圧が統計学的に正常域にあるpreperimetric glaucomaに対して眼圧下降治療を長期間行った結果、それでも緩やかに眼底の異常および視野異常の進行がみられたという報告です。これらの危険因子として、乳頭出血(緑内障性視神経障害の代表的な所見です)とベースライン眼圧から20%以上の眼圧下降をみられなかった例を挙げています。