従来まで、角膜は5つの層によって成り立っていると考えられていましたが、昨年新しくDua’s layerが発見され、教科書を書き換えるくらいのインパクトのある報告がありました。
Dua’s layerは、コラーゲンでできており、角膜内の水分量のバランスを取るのに役立っているのでは?と考えられていますが、この度、房水の流出路である、線維柱帯の表面にもDua’s layerがみつかり、房水流出のメカニズム解明の一助になるかもしれません。
従来まで、角膜は5つの層によって成り立っていると考えられていましたが、昨年新しくDua’s layerが発見され、教科書を書き換えるくらいのインパクトのある報告がありました。
Dua’s layerは、コラーゲンでできており、角膜内の水分量のバランスを取るのに役立っているのでは?と考えられていますが、この度、房水の流出路である、線維柱帯の表面にもDua’s layerがみつかり、房水流出のメカニズム解明の一助になるかもしれません。
緑内障性視野障害では、多くは後期になるまで中心視野が残存します。したがって、後期になるまで自覚症状がなかったり、視力低下がみられなかったりすることがよくあります。このような症例に対する緑内障手術は、急激な眼圧下降によるストレスなどのために、中心視野がなくなってしまい、重篤な視機能障害が生じうることが古典的に言われています。ただし、近年の緑内障手術では、急激に眼圧を下げるのではなく、術後の処置により少しずつ眼圧を下げるため、そのような視機能障害は稀であることが言われるようになっています。
本論文においても、中心視野を囲む暗点がある緑内障患者に対する緑内障手術において、一時的な視機能障害をのぞき、重篤な視機能障害を生じた例はなかったとしています。
両目の同じ側がみえなくなる症候を同名半盲といい、脳神経障害や一部の緑内障などでみられます。同名半盲を持つ患者においては、車の運転能力が落ちることが想定されますが、本論文によると、みえにくい部分を注視したり、頭や肩の位置を変えたりすることで、運転能力をある程度維持させていると報告しています。
現状、順調に新医院開設作業が進んでおり、平成26年6月1日(日)にやおえだ眼科内覧会を催す予定です。本来でしたら、現医院が近い場所に移設するということで、院長も含めたスタッフや各種医療機器など、変わらないところもあるので、お披露目を執り行わないという考えもありますが、新しいスタッフや医療機器のご紹介、何より新しく大きくなった新医院の建物をみて頂きたく思い、予定通り内覧会を開催いたします。
内覧会の準備も着々と進んでおり、来院された方々へのおもたせとして、小菓子などを用意します。本日、サンプルとして長岡市某パティスリーのクッキーを入手いたしました。文字や絵をプリントして頂けるようで、大変興味があります。
代表的な緑内障手術である線維柱帯切除術(濾過手術)は、房水を強膜トンネルを通じて結膜下に流し込む、言わば新しい流出路を作成する眼圧下降治療で、高い眼圧下降効果が得られます。しかしながらその流出路は、創傷治癒機転(けがを治す働き)のため、術後閉塞してしまうことがあり、創傷治癒機転を抑制するために代謝拮抗薬を術中術後に使用することが一般的です。一方、代謝拮抗薬を用いることにより、結膜の菲薄化が生じることがあり、稀ではありますが、術後に重篤な濾過胞感染、眼内炎が生じる可能性があります。
近年、加齢黄斑変性などの血管新生が生じる網膜疾患に抗血管内皮増殖阻(VEGF)薬の硝子体注射を行うことが一般的になっていますが、この抗血管内皮増殖阻害薬は新生血管を阻害するのみならず、線維芽細胞などの増殖抑制にも効果があることが知られており、そのため、血管新生緑内障などの難治緑内障に対する濾過手術中に、硝子体内や結膜下に抗血管内皮増殖阻害薬注射を行う報告が多くなされるようになっています。本論文はそれらのメタアナライシスで、代謝拮抗薬と抗血管内皮増殖阻害薬の併用では、代謝拮抗薬単独使用と比較して、高い眼圧下降効果がみられたものの、代謝拮抗薬単独使用と抗血管内皮増殖阻害薬単独使用との比較では、手術成績に差がなかったとしています。
光干渉断層計(optical coherence tomograph; OCT)を用いた緑内障診断の有用性については沢山の報告があります。しかしながら、緑内障診療ガイドライン(第三版)でも記載があるように、OCTを含めた眼底三次元画像解析装置による緑内障診断においては、「視神経乳頭形態や神経線維層厚には個人差があり、緑内障眼と正常眼の間で測定された数値のオーバーラップがみられることや、解析装置の測定精度の限界などから、緑内障と正常を完全に分別することは未だ成功していない。自動診断プログラムが搭載されている装置における、緑内障診断の特異度、感度は80%前後と報告されており、緑内障の診断には経験を積んだ眼科専門医の最終判断が必要である。重要なことは、緑内障による質的眼底変化を検出することであり、器械に診断を任せることではない。したがって、現時点ではあくまで眼底三次元画像解析装置は補助的に用いられるべきものである。」とされています。これ以外の理由として、そもそも眼底三次元画像解析装置に内蔵されている健常または緑内障のデータベースは、視野所見も含めて診断がなされたものを対象としていますので、現在において緑内障の最終診断が視野所見に依存している以上、視野検査を上回るものではないと考えます。また、数μm単位の細かい眼球構造を解析していますので、ある程度のアーチファクトの影響を考慮する必要があります。
本論文では、OCTを用いた緑内障診断で、19.9~28.2%にアーチファクトがみられ、一番影響を与えたものは網膜上膜によるエラーだったと報告しています。