今日の長岡市は晴れです。いよいよ春らしくなってきました。
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緑内障眼におけるOCT所見と中心視野所見
緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば、OCTのような眼底三次元画像解析装置は、「緑内障性眼底変化を標準化された方法」として用いるのに「測定精度が高く、測定再現性も良好で、かつ操作が容易なコンピュータを用いた眼底画像解析装置の利用は有望な解決法の一つ」としています。一方で、このような検査機器において、「視神経乳頭形態や神経線維層厚には個人差があり、緑内障眼と正常眼の間で測定された数値のオーバーラップがみられることや、解析装置の測定精度の限界などから、緑内障と正常を完全に分別することは未だ成功していない」とも書かれています。原則的にOCTの緑内障診断はスクリーニングに適しているものの、結局は眼圧検査、視野検査などの検査が必要となります。ただし、過剰な検査も患者さんの負担になりますので、避けたいところです。
本論文では、緑内障診療において通常行われる中心24度内での視野検査で正常と判定されたものの、中心10度以内の視野検査で異常点がみつかった例で、OCTを評価すると、やはり異常があったとしています。中心10度以内の視野検査を行うか否かを判断するうえで、OCT検査は有用と言えます。
http://link.springer.com/article/10.1007/s10384-013-0298-9?wt_mc=alerts.TOCjournals
本日の新医院
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エストロゲンと緑内障
以前にも報告を紹介しましたが、女性の閉経後のホルモン投与と緑内障には関連があります。網膜神経節細胞にはエストロゲンレセプターがあり、エストロゲンが神経保護の役割を担っている可能性があることが示唆されています。また、眼圧下降効果もあるという報告もあります。
本論文においても、閉経後の女性に対するエストロゲンが投与された例では、緑内障の有病率が低かったことを示唆しています。
https://archopht.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1815980
緑内障と眼灌流圧
原発開放隅角緑内障(広義)の中で、特に正常眼圧緑内障については、眼循環の影響が病因のひとつとして挙げられています。古典的に正常眼圧緑内障では、(眼圧が健常人の正常範囲を超える)原発開放隅角緑内障(狭義)と比較すると、下方の視野障害が起きやすいと言われており、また、夜間や早朝に低血圧を生じていたり、血圧の変動が大きかったりする患者さんが多いと言われ、そのため正常眼圧緑内障の一部に、虚血性視神経症が含まれているのではないかと示唆されてきました。
本論文では、原発開放隅角緑内障(広義)では、眼灌流圧(眼底血圧―眼圧がもとの式で、一般的に眼底血圧は全身血圧から換算されます)の変動の大きさと視神経障害、視野障害の程度に相関があったと報告しています。
本日の新医院
長岡市の花粉飛散量について
昨日より長岡市の花粉飛散量が増加しているようです。当院に受診なさる方も増えております。
緑内障眼の中心視野障害における進行判定法について
緑内障の診断や病期の進行判定において、視野検査は欠かすことのできない検査です。緑内障診療における一般的な視野検査は、ハンフリー視野計によって行われ、中心視野30度以内または24度以内の光に対する感度を精査します。しかしながらこれらのプログラムでは、視機能に関わる中心10度以内を精査することが難しく、また、中心24度以内のプログラムで正常と判定されても中心10度以内のプログラムで異常と判定される例もみられることが近年報告されるようになってきました。それに伴い、中心10度以内の病期の進行判定法を確立する必要性が出てきました。
本論文では、中心10度以内の各測定点をいくつかのセクターに分類し、セクター内の平均閾値の変化をプロットする方法を用いて、新たな進行判定法を確立しました。いずれこのような方法が一般臨床の場で活用されるかと思われます。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0161642013009433?cc=y





