新しくなった医院の引き渡しは、5月1日に行われているのですが、内装や院内設備については鋭意準備中で、完成した状態で、6月1日(日)9時~16時に執り行われる内覧会でお披露目したい気持ちがあって、医院内部の紹介は本ブログでは控えることにしていました。しかしながら、当院の設計を担当して下さった方のブログに、当院の紹介がなされていたので、アップさせて頂きました。医療機器など、最新鋭の設備を整えている最中です。完成した際には近々完成するHPでもご紹介いたします。
院長 のすべての投稿
FMながおか様にご招待頂きました
ご縁があり、FMながおか様のラジオ番組に出演することになりました。放送は下記の通りです。
『ながおか・人の輪・地域の輪』 5月19日(月)・20日(火)
午前 8:30ころ 再放送 午後7:00
緑内障の病態生理と治療について
緑内障の世界的権威であるWeinreb先生のグループが、緑内障の病態生理と治療につき、総説をまとめました。本総説では、最新の知見も含めつつ、緑内障とはどんな疾患であるのかが、詳細でありながらも簡明に記載されており、緑内障専門医のみならず、全ての眼科医が読むべき内容となっています。
総説の中からピックアップしたいことを示します。緑内障は不可逆的な失明原因のトップを占めているにもかかわらず、初期には自覚症状がないため、自分が緑内障であると診断されている人は全体の10~50%でしかありません。発症の危険因子は高齢、緑内障家族歴、黒人、ステロイド使用、高眼圧が挙げられます。根拠に基づく唯一の治療は眼圧を下げることです。
本日の新医院
医院内覧会につき
平成26年6月2日(月)8時30分~、新医院である「やおえだ眼科」での診療を開始いたしますが、その前日の6月1日(日)9時~16時まで、皆様に院内の雰囲気をみて頂くため、内覧会を催します。多くの方の来訪をお待ち申し上げます。なお、内覧会当日は第65回全国植樹祭も長岡市で執り行われるため、交通規制が敷かれるとのことです。どうぞ、お気をつけ、ご来訪ください。
http://www.city.nagaoka.niigata.jp/sangyou/syokujyusai.html
なお、重ね重ねの告知ですが、移転準備のため、5月26日(月)~5月31日(土)まで、現医院である眼科八百枝医院は休診となります。何卒ご高配頂きますようお願い申し上げます。
眼科的な紫外線対策につき
紫外線の曝露は電気性眼炎(いわゆる雪目)や翼状片、白内障、黄斑変性、あるいは眼科領域における癌の発症にも影響すると言われています。
米国眼科学会では、紫外線対策として、①100%UVカットのサングラスの着用、②曇りでもサングラスを着用すること、③広いつばがついた帽子の着用、④光感受性が高まるテトラサイクリンやフルオロキノロンなどの抗生物質、避妊薬、エストロゲン、イブプロフェンやナプロキセンなどの抗炎症剤の服用の制限、⑤太陽や砂、水を直接みないこと、⑥UVカットのコンタクトレンズにたよらないこと、を勧めています。
http://www.aao.org/newsroom/release/drugs-light-eyes-increase-uv-vulnerability.cfm
ビジョンバンについて
東日本大震災発生直後、宮城県眼科医会が中心となり、震災被災者への高いレベルでの眼科医療支援を提供する目的で、眼科医療支援車両「ビジョンバン」が運行されました。その後も眼科健診車両として、現在でも東北地方を中心にビジョンバンは活躍しています。
http://www.visionvan.jp/index.html
本論文では東日本大震災発生後の宮城県におけるビジョンバンの活躍を報告しています。
屈折矯正手術後の眼圧測定
緑内障診療において、眼圧測定は欠かせない検査ですが、眼圧測定法の多くは角膜を介して眼球に圧力を加え、反発する力や速度などを観察することにより行われます。よって、角膜の強度が変化した場合、正確な眼圧測定が困難となります。
LASIK(レーシック)などの屈折矯正手術は、角膜の屈折を手術的に変化させるもので、当然角膜の強度が術後変化します。レーシックでは角膜を薄く削るため、強度が弱くなり、スタンダードな眼圧計であるゴールドマン眼圧計では眼圧が低く測定されてしまいます。そのため、レーシック術後に緑内障を発症した場合には、 Dynamic Contour Tonometerや Tonopen®といった特殊な眼圧計での経過観察が必要となることがあります。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24807062
緑内障とサプリメントについて
欧州緑内障学会ホームページからの情報です。基本的に緑内障とサプリメントとの関連についてのランダム化比較試験などは行われてはいないものの、果実や野菜、ω3脂肪酸の摂取は緑内障のリスクを低くさせる効果があるという報告があるようです。一方、マグネシウムの多量摂取は緑内障のリスクを高めるという報告もあるとのことです。
乳頭出血と緑内障
乳頭出血とは、視神経乳頭内または辺縁に線状の出血としてみられるものです。乳頭出血の最初の報告は1889年で、緑内障患者に多いことが示唆されました。その後時を経て、1970年にDrance先生が緑内障性視神経障害との関連性についての報告を行い、現在では緑内障発症および病期の進行の重要な危険因子として多くの研究がなされています。乳頭出血の近傍では、視神経辺縁部のノッチや網膜神経線維層厚欠損、乳頭周囲網脈絡膜萎縮がみられ、健常眼では稀にしかみられませんが、緑内障患者の4~7%にみられるといわれています。また、一度出血すると再発することが多いことも特徴です。乳頭出血がみられた場合には、63%に視野障害進行がみられ、79%に進行性の視神経障害がみられるとの報告もあり、その場合より積極的な緑内障治療が必要と考えられています。乳頭出血がみられた緑内障患者に眼圧下降治療を行った場合に、視野障害進行の程度が遅くなったという報告もあります。
とは言え、乳頭出血の病因も不明で、血管障害のために視神経障害が起こるのか、視神経障害が生じていく過程で、血管が破綻するのかも議論の最中です。更に問題なのは、乳頭出血は数カ月で消失してしまうため、経過観察中に見過ごしてしまう可能性があるということです。まだまだ研究が必要な分野と言えます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20541265