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新潟大学医学部卒業 眼科八百枝医院院長 新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野非常勤講師 医学博士

緑内障治療における薬物併用について

緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば、緑内障の多数をしめる原発開放隅角緑内障(広義)においては、薬物治療が治療の第一選択であり、中でも第一選択薬としては、交感神経β遮断薬またはプロスタグランジン関連薬としています。第一選択薬を用いても、薬剤の効果が不十分な場合、あるいは薬剤耐性が生じた場合は、まず薬剤の変更を考慮し、単剤(単薬)治療をめざすものの、単剤(単薬)での効果が不十分であるときには多剤併用療法(配合点眼薬を含む)を行います。

本論文では、薬物併用について調べたもので、プロスタグランジン関連薬から治療を開始した例で、実に36%の例で24カ月以内に併用療法が行われたと報告しています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24959067

中心角膜厚と眼圧について(人種による影響)

一般診療で用いられるGoldmann圧平眼圧計や非接触型眼圧計においては、その測定値には角膜の物理学的特性の影響があることが知られ、例えば、角膜が薄いと眼圧が低く、角膜が厚いと眼圧は高く測定されることが知られています。また、薄い角膜は眼圧の過小評価や篩状板の脆弱性などの理由から、緑内障のリスクファクターと考えられています。
多民族国家であるシンガポールで行われた本研究では、中国人ではマレー人やインド人と比べて角膜は薄く、眼圧は低い結果でした。主に白人を対象として行われた過去の報告では、薄い角膜の高眼圧症では、緑内障に移行する確率が厚い角膜を有する症例に比べて3倍高いとされましたが、アジア人は一般的に角膜は薄く、同報告における角膜厚の定義に当てはめると、実に半分以上のアジア人が「薄い角膜」と定義されてしまうとのことです。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24950592

原発開放隅角緑内障患者の眼圧日内変動

眼圧は血圧などと同様、一日の間で変動することが知られています。そのため、眼圧の日内変動を測定することは、緑内障診療を行う上で有用なことがあり、特に常に同じ時間帯で診察を受け、眼圧が低いにも関わらず視野障害が進行する症例などでは、他の時間帯で眼圧が上がっているケースがみられるため、積極的に行ってもいい検査と言えます。しかしながら、眼圧は季節変動のみならず、日々変動も起こすことが知られており、一度の眼圧日内変動のみでは、眼圧の評価が困難であることもあります。

本論文では、6カ月毎、計4回眼圧日内変動を行ったところ、各々の眼圧変動の一致率は極めて低く、特に30%以上眼圧が変動する例では、6.4%しか一致しなかったと報告しています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24939513

緑内障治療薬を切らす割合

緑内障治療において、肝要なことの一つは、治療に対するアドヒアランスを向上させることです。緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば、「アドヒアランスとは患者も治療方法の決定過程に参加したうえ、 その治療方法を自ら実行することを指すもの」と定義しています。アドヒアランスが不良となる一因は、緑内障治療薬を切らしてしまうことが挙げられます。

本論文では、25.4%で切らしたことがあり、その危険因子として、視力不良を挙げています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24927769

高齢者の眼の健康を保つために

米国眼科学会によると、米国では65歳以上の6人に1人が、眼鏡などによっても矯正不能な視力障害を持つことを示唆しています。高齢者が視力を保ち、健康で自立した生活を長く続けられるよう、米国眼科学会では次の7項目を勧告しています。
 (1)65歳になったら、眼科健診を1-2年に一度受ける。
 (2)読み書きや運転、テレビ視聴などに支障が出る、物をなくす、物にぶつかる、足を踏み出すのを恐れる、何かを見る時に頭を傾げるといった、視力低下の徴候を知る。
 (3)眼の健康に役立つ栄養素(ビタミンCおよびE、亜鉛、ルテイン、ゼアキサンチンなど)を含む健康な食生活を送る。
 (4)たばこは吸わない。喫煙は白内障、加齢黄斑変性などのリスクを高める。
 (5)血圧、コレステロール、血糖を正常値に保つ。
 (6)定期的に運動する。
 (7)戸外では紫外線100%カットのサングラスを使用する。

http://www.aao.org/newsroom/release/academy-urges-sight-saving-habits-for-older-adults-help-maintain-independence.cfm

本日より新医院での診療開始です!

診療時間は8時30分~12時、14時30分~17時30分までとなっております。なお、日祝日、土曜日午後は休診となります。水曜日午後も新医院からは手術日となり、原則外来業務は行いませんので、お気をつけ下さい。
特に旧医院にかかって頂いた皆様方におかれましては、1週間の休診大変ご迷惑をおかけいたしました。心よりお詫び申し上げます。

医院内覧会

本日は新医院のお披露目である、医院内覧会を執り行います。9時~16時までとなっています。皆様のお越しをお待ち申し上げます。なお、色々聴いてみたいことがありましたら、何なりと係りの者にお声かけ下さい。
無題

最終確認と皆様方へのお願い

本日もやおえだ眼科は休診です。また、土曜日も移転作業が続くため、休診となります。皆様方におかれましては大変なご迷惑をおかけし、重ね重ねお詫び申し上げます。

本日は外来診療のシミュレーションの最終確認です。皆様方にご理解を頂きたいことがあります。特に旧医院に昔からいらして頂いた方におかれましては、診療システムが大幅に変更となるため、とまどってしまうことが想定されます。主な変更点としては、1.バリアフリーに対応するため、医院が広くなり、その分動線が長くなります。2.院内処方から院外処方へと切り替わります。3.プライバシー保護の観点から、診察室は完全に個室になります。4.電子カルテではないのですが、種々の検査の画像管理など、極めて電子カルテに近いシステムが導入されます。これらは、患者さんからのニーズのみならず、各種法律や行政指導を遵守する目的で変更されることです。それらの変更点を勘案しますと、診療の待ち時間が長くなってしまうことが想定されます。旧医院からの患者さんにおかれましては、可能な限り旧医院のシステムに近い方法を取る予定でおります。従来よりいらして頂いた患者さん、並びに当院に初めて受診なさる方におかれましても、何卒ご高配頂きますようお願い申し上げます。

外来シミュレーションについて

本日もやおえだ眼科は休診です。新医院での診療開始は6月2日月曜日~となります。重ね重ね皆様方にはご迷惑をおかけします。

本日は大切な外来シミュレーションが行われる予定です。新しく入って頂いた副院長はもちろん、事務や視能訓練士も、様々な病院で経験を積んだベテランぞろいです。ですので、皆様方におかれましては安心して当院での診療を受けて頂けるかと思われます。しかしながら、例えば、病気や治療について説明する際に、同じ内容をお伝えしようとしているにもかかわらず、説明の仕方が人により異なってしまい、患者さんを混乱させてしまう可能性があります。また、患者さんのニーズにも応えていく責務がわたくしどもにはあると思っています。例えば、結膜炎やものもらいに対して、短時間での診療を患者さんが希望しているにもかかわらず、不必要な検査を行うことを、院長は好みません。一方で、より重篤な疾患を見逃しても行けないとも思っています。逆に、自分に病気がないか十分に調べて欲しいという方もおられるかと思われます。それらのニーズを傾聴しながら診療をしていきたいと思っています。そのような中で、院内で一定の決め事を模索する必要があります。今日がその日となります。6月2日には準備万端の上で、診療を開始していきたいと思っております。