緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば、原発閉塞隅角症とは、「原発性の隅角閉塞があり、眼圧上昇または器質的な周辺虹彩前癒着を生じているが緑内障性視神経症は生じていない症例」と定義されており、すなわち原発閉塞隅角緑内障になる一段階手前の状態と定義しています。一方、米国眼科学会や欧州緑内障学会の緑内障ガイドラインの定義では、包括的に原発閉塞隅角症というカテゴリーがあり、その中に原発閉塞隅角緑内障が定義されています。本論文は海外論文ですので、後者の定義に準じて記載します。
原発閉塞隅角症は、水晶体の膨隆や前方移動、虹彩厚の厚み、毛様体の腫脹や前方回転、ぶどう膜滲出などにより惹起されると考えられており、その中で、脈絡膜の厚みの増加も示唆されています。本論文では、年齢や眼軸長、性差を補正したうえで、原発閉塞隅角症では、黄斑部の脈絡膜厚が健常眼に比して厚かったと報告しています。