選択的レーザー線維柱帯形成術(selective laser trabeculoplasty; SLT)は、房水の流出路である線維柱帯の老廃物を除去しながらも、線維柱帯自身には影響を与えない、安全な緑内障レーザー治療です。短期的には、一時的高眼圧や、前房内の炎症などの合併症があるくらいで、大きな合併症を起こしにくいことが知られています。ただし、治療効果の持続性が短いこと(その場合はレーザーを追加することがあります)や、仮にその後緑内障手術を行った場合に、若干手術成績が落ちるというデメリットもあります。
本論文では、原発開放隅角緑内障眼に対するSLTで、眼圧が平均19.1mmHgから、3カ月後に13.9mmHgまで低下しつつ、黄斑浮腫や前房内の炎症がみられなかったと報告しています。