フルオロキノロンは眼科領域も含め、一般臨床で頻用されている抗生物質です。一昨年フルオロキノロン内服が網膜剥離発症頻度を高めるという論文が発表され、物議を醸しました。フルオロキノロンが角膜内皮障害を引き起こすなど、いくつかの細胞毒性の報告があったものの、眼内の奥にある網膜障害を引き起こすことに対して、にわかに信じ難かったからです。
最新の本論文は、その反証です。調査する母集団や統計学的手法などから、予想がつかない結果や、統一しない結果が出ることはよくあります。この研究についても、更なる検討が必要と考えます。