中心角膜厚と眼圧について(人種による影響)

一般診療で用いられるGoldmann圧平眼圧計や非接触型眼圧計においては、その測定値には角膜の物理学的特性の影響があることが知られ、例えば、角膜が薄いと眼圧が低く、角膜が厚いと眼圧は高く測定されることが知られています。また、薄い角膜は眼圧の過小評価や篩状板の脆弱性などの理由から、緑内障のリスクファクターと考えられています。
多民族国家であるシンガポールで行われた本研究では、中国人ではマレー人やインド人と比べて角膜は薄く、眼圧は低い結果でした。主に白人を対象として行われた過去の報告では、薄い角膜の高眼圧症では、緑内障に移行する確率が厚い角膜を有する症例に比べて3倍高いとされましたが、アジア人は一般的に角膜は薄く、同報告における角膜厚の定義に当てはめると、実に半分以上のアジア人が「薄い角膜」と定義されてしまうとのことです。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24950592

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*