月別アーカイブ: 2016年1月

原発開放隅角緑内障に対する第一選択薬について

緑内障の中で多数を占める病型である、原発開放隅角緑内障に対する治療について、緑内障診療ガイドライン(第三版)では、「プロスタグランジン関連薬や交感神経β遮断薬が優れた眼圧下降効果と良好な認容性により、第一選択薬として使用されている」と示しています。過去の報告をシステミックレヴューやメタ解析を用いて検討した本論文によると、優れた眼圧下降効果を有した第一選択薬はプロスタグランジン関連薬であるビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロストが挙げられ、この3つの薬剤については大きな相違はなかったと報告しています。

高齢緑内障患者の自動車事故について

本研究は米国アラバマ州で行われたものですが、70歳以上のドライバー2000人を調査した結果、緑内障患者は健常者に比し、1.65倍衝突事故が多く、特に左側の視野障害を有する例で衝突事故が多かったと報告しています。

Association between glaucoma and at–fault motor vehicle collision involvement among older drivers

近視と開放隅角緑内障について

代表的な緑内障の病型である原発開放隅角緑内障発症の危険因子として、近視があることは様々な研究で報告があります。緑内障または高眼圧症34040例と健常403398例を解析した本論文では、原発開放隅角緑内障のみならず、色素緑内障や落屑緑内障など、他の開放隅角緑内障についても危険因子であったと報告しています。ただし、現在までのところ、その理由は明確には不明であると言われています。

The Association of Refractive Error with Glaucoma in a Multiethnic Population