月別アーカイブ: 2014年5月

再発性角膜びらんの原因について

外傷などで生じる、角膜上皮が剥離する角膜びらんは一般診療上よくみられる疾患で、通常は点眼、軟膏、眼帯などの処置で数日で治癒します。再発性角膜びらんとは、角膜上皮とその下にある基底膜との接着が弱いために、一度治癒した角膜びらんを繰り返し生ずる状態を言います。かなりの疼痛を伴うことが多く、寝ている時に目を閉じながら眼球が動くため、まぶたと眼球との間に摩擦が生じ、起床時に発症することが多いことが知られています。治療としては、最近では治療用コンタクトレンズ装用により奏功するケースが増えてます。

本論文では、再発性角膜びらん患者の病因を調べたところ、軽度外傷の既往(39.3%)、角膜上皮基底膜ジストロフィー、レーザー屈折矯正角膜切除術(各17.1%)、レーザー光線による近視矯正手術(7.7%)の順で多かったことを報告しています。

http://journals.lww.com/corneajrnl/Abstract/2014/06000/Clinical_Presentation_and_Causes_of_Recurrent.6.aspx

やおえだ眼科竣工につき

新しくなった医院の引き渡しは、5月1日に行われているのですが、内装や院内設備については鋭意準備中で、完成した状態で、6月1日(日)9時~16時に執り行われる内覧会でお披露目したい気持ちがあって、医院内部の紹介は本ブログでは控えることにしていました。しかしながら、当院の設計を担当して下さった方のブログに、当院の紹介がなされていたので、アップさせて頂きました。医療機器など、最新鋭の設備を整えている最中です。完成した際には近々完成するHPでもご紹介いたします。

http://sugaken1.com/2785.html

緑内障の病態生理と治療について

緑内障の世界的権威であるWeinreb先生のグループが、緑内障の病態生理と治療につき、総説をまとめました。本総説では、最新の知見も含めつつ、緑内障とはどんな疾患であるのかが、詳細でありながらも簡明に記載されており、緑内障専門医のみならず、全ての眼科医が読むべき内容となっています。

総説の中からピックアップしたいことを示します。緑内障は不可逆的な失明原因のトップを占めているにもかかわらず、初期には自覚症状がないため、自分が緑内障であると診断されている人は全体の10~50%でしかありません。発症の危険因子は高齢、緑内障家族歴、黒人、ステロイド使用、高眼圧が挙げられます。根拠に基づく唯一の治療は眼圧を下げることです。

The Pathophysiology and Treatment of Glaucoma A Review

医院内覧会につき

平成26年6月2日(月)8時30分~、新医院である「やおえだ眼科」での診療を開始いたしますが、その前日の6月1日(日)9時~16時まで、皆様に院内の雰囲気をみて頂くため、内覧会を催します。多くの方の来訪をお待ち申し上げます。なお、内覧会当日は第65回全国植樹祭も長岡市で執り行われるため、交通規制が敷かれるとのことです。どうぞ、お気をつけ、ご来訪ください。

http://www.city.nagaoka.niigata.jp/sangyou/syokujyusai.html

なお、重ね重ねの告知ですが、移転準備のため、5月26日(月)~5月31日(土)まで、現医院である眼科八百枝医院は休診となります。何卒ご高配頂きますようお願い申し上げます。

眼科的な紫外線対策につき

紫外線の曝露は電気性眼炎(いわゆる雪目)や翼状片、白内障、黄斑変性、あるいは眼科領域における癌の発症にも影響すると言われています。

米国眼科学会では、紫外線対策として、①100%UVカットのサングラスの着用、②曇りでもサングラスを着用すること、③広いつばがついた帽子の着用、④光感受性が高まるテトラサイクリンやフルオロキノロンなどの抗生物質、避妊薬、エストロゲン、イブプロフェンやナプロキセンなどの抗炎症剤の服用の制限、⑤太陽や砂、水を直接みないこと、⑥UVカットのコンタクトレンズにたよらないこと、を勧めています。

http://www.aao.org/newsroom/release/drugs-light-eyes-increase-uv-vulnerability.cfm

ビジョンバンについて

東日本大震災発生直後、宮城県眼科医会が中心となり、震災被災者への高いレベルでの眼科医療支援を提供する目的で、眼科医療支援車両「ビジョンバン」が運行されました。その後も眼科健診車両として、現在でも東北地方を中心にビジョンバンは活躍しています。

http://www.visionvan.jp/index.html

本論文では東日本大震災発生後の宮城県におけるビジョンバンの活躍を報告しています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24809415

屈折矯正手術後の眼圧測定

緑内障診療において、眼圧測定は欠かせない検査ですが、眼圧測定法の多くは角膜を介して眼球に圧力を加え、反発する力や速度などを観察することにより行われます。よって、角膜の強度が変化した場合、正確な眼圧測定が困難となります。

LASIK(レーシック)などの屈折矯正手術は、角膜の屈折を手術的に変化させるもので、当然角膜の強度が術後変化します。レーシックでは角膜を薄く削るため、強度が弱くなり、スタンダードな眼圧計であるゴールドマン眼圧計では眼圧が低く測定されてしまいます。そのため、レーシック術後に緑内障を発症した場合には、 Dynamic Contour Tonometerや Tonopen®といった特殊な眼圧計での経過観察が必要となることがあります。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24807062