月別アーカイブ: 2014年2月

Preperimetric glaucomaの経過

以前にも述べましたように、緑内障にはpreperimetric glaucomaと呼ばれる疾患群があります。緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば、「眼底検査において緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態をpreperimetric glaucomaと称することがある。」と記載されています。多くの疾患について当てはまると思われますが、人体は形態的異常(各種画像検査データなど)が生じてから機能的異常(自覚症状など)が生じます。緑内障においても、一般的に視神経障害が生じてから視野障害が生じます。すなわち、preperimetric glaucomaとは、形態的異常はみられるけれども、機能的異常がみられない状態であり、緑内障の一歩手前の状態と言えます。

本研究では、眼圧が統計学的に正常域にあるpreperimetric glaucomaに対して眼圧下降治療を長期間行った結果、それでも緩やかに眼底の異常および視野異常の進行がみられたという報告です。これらの危険因子として、乳頭出血(緑内障性視神経障害の代表的な所見です)とベースライン眼圧から20%以上の眼圧下降をみられなかった例を挙げています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24456145

新医院のロゴ

今日はデザイン担当の方とご面会いたしました。新医院のロゴについて、いくつかの提案をして頂きましたが、わたくしたちが理想としている眼科医院をイメージできるものになるよう、少しずつ議論を重ねていきたいと思います。

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多焦点眼内レンズと視野

今日においても、多くの白内障手術では、濁った水晶体を超音波乳化吸引装置で摘出し、代わりに挿入する人工レンズ(眼内レンズ)は、単焦点眼内レンズです。すなわち、若い頃のようにみたいすべての距離にピントが合うのではなく、ある1点にピントが合うレンズです。したがって、ピントが合う距離以外みたいときには、ほとんどの場合、眼鏡が必要となります。例として、遠くが見えるような度数の単焦点眼内レンズを挿入した患者さんは、運転やゴルフは眼鏡なしでいいのですが、近くの字を読みたい時などには近用眼鏡(いわゆる老眼鏡)が必要です。
近年、多焦点眼内レンズを用いることにより、遠近ともみえることができ、眼鏡に依存しない日常生活が可能なケースが増え、QOL(quality of life)の向上が期待されます。

しかしながら、欧州緑内障学会の報告によれば、緑内障患者に多焦点眼内レンズを挿入した場合、視野全体の感度の低下がみられるため、白内障手術後の眼科検査の一つとして、早急に視野検査を行い、新たなベースラインデータを作成することを推奨しています。

http://www.eugs.org/eng/tips_showtip.asp?id=2205

新医院への移転につき

主に新医院の工事の進捗状況に左右されますが、新医院への移転につき、現時点での予定では、休日当番日である平成26年5月25日(日)をもって、現在の眼科八百枝医院を閉院し、移転に伴う準備のため、翌5月26日(月)~5月31日(土)まで休診とさせて頂きます。平成26年6月1日(日)にやおえだ眼科内覧会を執り行わさせて頂き、翌6月2日(月)~新医院での診療を開始させて頂きます。また、新医院では、日帰り白内障手術、硝子体手術に対応いたします。新医院の住所と電話番号は下記となります。

〒940-0053 新潟県長岡市長町2-1649-1(現医院から歩いて30秒のところです)

電話番号0258-32-0833(現在と同じ番号の予定です)

まだ暫定的な予定ですが、変更点が出てきましたら随時ご報告申し上げます。よろしくお願い申し上げます。