緑内障の治療は、多くの場合、眼圧を下降させるための薬物治療から開始されます。しかしながら、せっかく医師が薬物を処方しても、患者さんが使用しなければ意味がありません。緑内障診療ガイドライン(第三版)によれば、「アドヒアランスとは患者も治療方法の決定過程に参加したうえ、 その治療方法を自ら実行することを指すものと定義され」ますが、高血圧や高脂血症、糖尿病に比べると、緑内障治療薬のアドヒアランスは極めて低いことが言われており、報告によって異なりますが、20%~50%と言われております。
本論文では、緑内障治療薬に対するアドヒアランスを調べた結果、若年、抑うつ状態、薬物治療に何らかの問題がある患者さんのアドヒアランスは悪く、薬物に対する実効感覚や病気が治るという期待が高い患者さんほど良好だったと報告しています。