緑内障手術と血管内皮増殖因子阻害薬

1968年にCairnsが開発した線維柱帯切除術は、現在でも代表的な緑内障手術の一つとなっております。手術の原理は、房水を強膜のトンネルを通して結膜下に排出させることで、眼圧を下げるというものです。しかしながら、創傷治癒機転のために強膜トンネルが閉塞し、術後眼圧が上がることがあるため、創傷治癒機転を抑制するためにマイトマイシンCの術中塗布や5-Fuの術後結膜下注射を行うことが一般的ですが、逆に低眼圧になったり、稀に重篤な感染症を起こしたりすることが問題となっています。

近年、加齢黄斑変性などの治療に用いる血管内皮増殖因子阻害薬の結膜下注射をもちいることにより、創傷治癒機転を抑制させる治療が試みられています。本論文では、血管内皮増殖因子阻害薬を用いた緑内障手術は、従来の方法と同等の眼圧下降効果があった一方、網膜静脈閉塞などの重篤な合併症もみられたため、その使用には注意を要すると報告しています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24563791

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