この質問には、「はい」とも「いいえ」とも言い難いことがあります。日本においては失明原因の第一位であり、もちろんこわい病気であると言えます。一方で、日本に40歳以上の5%、70歳以上の約10%の人が緑内障であり、決して珍しい病気ではなく、もちろんこれら全ての人が失明しているわけではありません。それどころか、日本における最初の緑内障疫学調査によれば、緑内障と診断された人のうち9割が「今まで緑内障と診断されてなかった」ことがわかりました。ということは、健診もしくはたまたま何かのきっかけで眼科にかからなければ、「自分が緑内障である」ということを知らずに一生過ごす可能性があるということです。
緑内障の何がこわいかといえば、失われた視野(視機能)をもとに戻す方法がなく、治療はあくまでも病気の進行を止める、または遅らせること以外にないことです。ですので、早期発見早期治療が何より大事な疾患といえます。特に40歳以上になったら、何らかの形で眼科にかかるか健診を受けることをお勧めします。