眼底を精査すると網膜静脈の拍動をみかけることがあります。古典的には、拍動がなかった場合に、頭蓋内圧亢進を疑う必要があると言われており、眼循環の低下のサインとも考えられています。一方、乳頭出血は緑内障の発症や病期の進行を示唆する重要な所見であるものの、網膜神経節細胞の障害に伴い発生する所見なのか、出血後の循環不全に伴い、網膜神経節細胞が障害されるのか未だはっきりとはわかっておりません。
本論文では、網膜静脈の拍動は開放隅角緑内障眼の60.7%にみられ、拍動がみられなかった例では、低い未治療時眼圧、眼軸長、視野障害と関連があったものの、乳頭出血とは関連がなかったと報告しております。