緑内障治療薬を使用している患者さんによく聴かれる質問です。「(少なくともお元気なうちは)一生です」とお答えするしかありません。
緑内障で失明するリスクは(外傷や手術の合併症で低すぎることがない限り)眼圧が低ければ低いほど低下します。また、緑内障は年齢と関係があり、網膜神経節細胞は健常人であっても年齢とともに減少し、理論値では150歳になれば全員緑内障になると言われています。その方の余命が何歳であるのかが分からない以上、「一生」とお答えするしかありません。
緑内障診療ガイドラインにも書かれていますが、以上の理由もあり、医者側としては「薬物治療の原則は必要最小限の薬剤と副作用で最大の効果を得ることである」必要があり、その方の「QOL、治療にかかわる費用、アドヒアランスなどへの配慮」も必要となります。