診療内容流行性角結膜炎について
代表的なウイルス性結膜炎で、昔から一般的に「はやり目」という呼び名で知られている疾患です。アデノウイルス(8型、19型、37型、54型など)が原因ですが、感染力が非常に強く、学校保健安全法の第三種感染症に該当します。症状としては、強い充血、目やに、流涙が代表的ですが、アレルギー性結膜炎と違って、かゆみはほとんどありません。この病気の潜伏期間は約1週間から10日です。最初は片目だけに発症しても、数日中にもう片目に症状が出現することがあります。一般的には、発症してから約1週間に病状のピークがあり、その後徐々に改善していきます。治療は特効薬がなく、ウイルスに対する抗体が体内で作られるのを待つしかありませんが、通常は症状を抑えるためにも、抗炎症作用を持つ点眼液や、細菌による二次感染を防止するための点眼液を使用します。炎症が強い場合には黒目(角膜)の表面に小さな濁りが残ることがあります。そのためにかすみ目や眩しさを感じる方がいます。これは時間とともに徐々に改善されますが、その場合副腎皮質ステロイド薬の点眼液を用いることもあります。
流行性角結膜炎などのウイルス性結膜炎においては、周囲の人に感染を広めないように注意する必要があります。他人へ感染させる恐れのある期間は、約1~2週間です。ウイルスは、目をこすった手や目を拭いたハンカチなどから感染することがほとんどです。感染を予防するためにはよく手を洗うことが重要です。また目を拭くときはティッシュペーパーなどの使い捨てのものを使い、タオルなどは家族と別のものを使い、お風呂は最後に入るようにしましょう。